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アルテ・マイン橋


アルテ・マイン橋
〜Alte Mainbrucke〜

ライン河の支流、マイン河畔に在る美しい古都ヴュルツブルクは、
由緒ある建物が立ち並ぶ、静かな"大学街"である。

X線の発見者であるレントゲン博士や、江戸時代に日本を世界に紹介したシーボルト氏も
この街の出身者と聞けば、ある種の接点と親近感を、遠く離れたこの街に持つ気分にもなる。

街の出入口でもあるこのアルテ・マイン橋の上は、
多くの市民や学生達が行き来し、人通りの絶えることがあまり無い。
そんな人々の様子を、橋桁上の両側に並び立つ聖人像達が見守っているかのように思える。
年月を経た味わいのあるこの橋から見る街の姿も美しく、
角度によっては、街の全体を聖人が守っている様にも見え、この場所から描くことにした。

時折雪が舞い落ちては、地面でふっと融けてゆく――
長く居ると、寒さが足元から上ってきて手はかじかみ、思うようにはスケッチが進まない。
体も冷えきり、温かさやぬくもりのある柔らかさを求めていたせいか、
「暖かい部屋で、霜が付いたような窓枠越しに、こんな景色を眺めてみたい」
そんな、ふと湧いてきた自分の心情がキャンバス上に現われてしまったのだろう。

石の橋の向こうに広がる、冬の郷愁をかきたてる憧憬を楽しんで頂けたら嬉しい。


笹倉 鉄平





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